研究シーズ

Research Seeds

ディジタル記録のための符号に関する研究

研究者:鎌部 浩

キーワード
記録デバイス、記録符号、有限状態符号、バランス符号、WOM符号

岐阜大学 工学部 電気電子・情報工学科 情報コース

教授 (副工学部長)鎌部 浩

物理的な記録媒体をうまく利用するために、符号化という理論的な概念が役に立つことが非常に興味深いと感じています。

最近の研究テーマ

✦H. Kamabe, et.al, Blanced code with Lehmer coding,SITA2021
✦A. Yamawaki, H. Kamabe, Shun Lu, Construction of Parallel RIO Codes using Coset coding with Hamming code, IEICE, EA, 2018.
✦H. Kamabe, Shan Lu, Burst Erasure Correction by 2D LDPC Codes, Globecom 2019.
✦Y. Narita, H. Kamabe, S. Lu, Accuracy Evaluation of Indoor Positioning by Receive Signal Strength using Deep Learning, ICACT 2021.

研究概要

データの記録デバイスは、データの書き込みと読み出しを一つのプロセスと考えると、ディジタル情報の通信路と同様にモデル化することができます。しかし記録デバイスの物理的な記録媒体(ハードディスク、CD、DVD、フラッシュメモリなど)の特性から、記録し難いデータ系列もしくはパターンが存在します。例えば、CDやDVDなどの光記録媒体では、再生した信号が直流成分を持っているとデータの再生に問題を生じます。フラッシュメモリでは、隣接する記憶セルに充電されている電荷のレベルが相互に影響するため、隣接セルの記録値の急激な変化を避けることが要求されます。対象のデータがこのような条件を満たすとは限りません。条件を満たすように変換するための符号を一般に「記録符号」もしくは「伝送路符号」と呼びます。フラッシュメモリはかなり特殊な媒体で、記録符号(データの書き込み方法)もかなり特殊ですが、理論的には大変興味深いものです。
これまでは、磁気記録やフラッシュメモリなどが研究対象でした。最近はDNA系列にディジタルデータを記録する「DNAストレージ」も対象として、将来の実用化を目指し、DNA系列に適応した優れた記録符号の研究を行っています。

産業界へのアピールポイント

  • 主に理論面から研究していますが、ASRC (Advanced Storage Research Consortium)に参加して、企業の研究者とも交流しています。
  •  DNAストレージは、現在研究段階のストレージですが、非常に記録密度が高いため、次世代の記録技術として世界的に注目され、研究が非常に盛んになっています。
  • 磁気記録は、これまで何度も「物理的限界」を破り、記録密度・記録容量を上げ続けてきています。それには、誤り訂正符号や記録符号が貢献しています。
  •  現在は、記録符号のほかに(記録装置のための)誤り訂正符号についても研究を進めています。

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