研究シーズ

Research Seeds

自律搬送ロボットを手動で直観的に操作する

研究者:原 進

キーワード
搬送ロボット、パワーアシスト、人間機械協調、力センサレス、モード切り換え

名古屋大学 大学院工学研究科 航空宇宙工学専攻 飛行・制御講座

教授原 進

大学院生の頃から、時間や状況に応じて制御の種類や状態(制御モード)が切り換わる制御問題を多く扱ってきました。位置決め制御をしていたらある時から振動制御に切り換わったり、自由に飛行や落下をしていると思ったら衝撃が加わって状態が急変するなどの問題です。機械構造物、ロボットでは類似の課題が多いと思います。ぜひご相談いただければ幸いです。

最近の研究テーマ

✦ 「空の産業革命」の社会受容性評価
✦ 月惑星探査のための探査機の着陸機構とその制御
✦ マルチコプタの着陸機構
✦ 固定翼UAVによる低速降下物体の空中回収
✦ 自動二輪車の自立安定化

研究概要

工場での搬送の自動化で期待される自律搬送ロボットですが、多品種少量生産では需要変動に伴う工程や搬送経路の変化・複雑化に対応できる完全な自律化は容易ではありません。そこで安全を確保しつつ、必要に応じて作業者が搬送に介入できる「手動操作モード」を導入しました。作業者の押す・引くという操作によるロボットの架台自体の“揺れ“から操作力を推定し、それに応じて台車速度を制御することで、違和感のない良好なパワーアシスト制御に成功しました。
力センサを使う従来のパワーアシストに比べ低コストだけでなく、作業者はロボットの任意の部位をつかんで操作可能で、高い自由度を持ちます。さらに、作業者の接近・操作を検出し、自律走行と手動操作とをシームレスに切り換えるアルゴリズムの開発にも取り組んでいます。

産業界へのアピールポイント

  • 作業者の意図に従って直観的に操作可能
  • 重量物でも小さな力でパワーアシスト搬送
  • 経路変更やレイアウト変更にも柔軟に対応
  • 力センサ不要で低コスト

実用化例・活用例

  • 工場や倉庫での自律・手動搬送
  • 看護・介護における車いす補助のパワーアシスト

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