航空機部品構造に対する加工技術の高度化
研究者:社本 英二
キーワード
薄壁構造、切削加工、高精度化、高能率化、省エネ化、低コスト化
産学連携で社会に役立つ技術開発を目指すと同時に、それを通した人材育成にも取り組んでいます!
最近の研究テーマ
✦ 切削加工・工作機械の高精度化
✦ 切削加工・工作機械の高能率化
✦ 切削加工・工作機械の知能化,省エネ・環境対応
✦ 複数プロセスの統合による新加工技術開発・工程集約
研究概要
主に燃費向上のため航空機機体の軽量化が進められています。そのための部品構造、形状に起因して加工技術の高度化が求められています。具体的には、「①軽量化のために各部品の薄肉化が進み、加工時の静たわみ・強制振動・自励振動問題を生じる」、「②複雑形状部品の金属積層造形への期待が高いが、現状では需要の高いアルミ合金に適した高能率高精度低コスト積層造形法が存在しない」、③振動問題の設計段階での予測には機械構造の減衰予測が必要であるが、現状では非現実的な長い解析時間を要し事実上不可能である」等の課題があり、それらを解決する技術開発に取り組んでいます。
産業界へのアピールポイント
- 従来の薄壁加工法(図1)では、薄壁の高さ方向に細かく分割して粗・仕上げ加工を実施するため能率が低い。
- これに対して開発法(図2,3)では、粗加工時の切削送り方向を薄壁高さ方向に変更し、専用工具を用いて大きな余肉を加工箇所のすぐ隣りに残して仕上げ加工を行う。
- 開発法では、低剛性方向の加振力・再生幅(再生びびりの一因)が大幅に小さくなるため、数十倍の自励振動安定性、仕上げ面積比2.5倍、除去体積比11倍以上の高能率化(粗・仕上げ加工込み)と高精度化(たわみ40%減)を同時に達成した。
- この他、アルミ合金の高能率高精度低コスト積層造形技術や機械構造の減衰予測技術も開発中。
実用化例・活用例
- 航空機機体部品に多い薄壁構造の高能率高精度加工を実現
- 航空機エンジン部品に多い薄肉ブレード・ディスク構造の高能率高精度加工にも有利